株式会社 拓和(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:奥田 慎二)は、韓国の栄山江洪水統制所に、高精度かつリアルタイムな水位監視を実現する水晶式水位計が納入されたことをお知らせいたします。
韓国には漢江(ハンガン)、洛東江(ナクトンガン)、錦江(クムガン)、栄山江(ヨンサンガン)という4つの主要な河川があります。韓国の気候は、夏の梅雨期に降水量が集中するため、水資源の持続的な確保が難しく、洪水や干ばつが発生しやすいという特徴があります。
かつて李明博大統領(2009年当時)が、水資源の確保や気候変動による地球温暖化等の影響で発生し得る洪水に対する洪水調節などを目的として『4大河川再生事業』という国策を施行しました。
4大河川のひとつである栄山江には、栄山江洪水統制所が流域の地域住民の人命と財産の損失を洪水災害から最小限に抑えるため設置されています。ここでは、大雨や台風などの大気現象により洪水が発生する可能性がある場合、管轄河川流域の主要地点で洪水予報システムを用いて洪水をモデル化・予測し、その成果をいち早く発信しています。
また、流域内に設置された監視ステーションから送られてくるダム情報や降雨量、水位などのデータは、コンピュータセンターに自動入力され、河川の水位変化をリアルタイムで観測しています。
前述した4大河川再生事業は2012年をもって終了していますが、現在、韓国の温暖化は世界平均よりも急速に進んでおり、洪水発生の危険性は当時よりもさらに高まっていると言えます。
この度、韓国の栄山江洪水統制所の洪水予警報システムに水位データを提供する水位計測器として、弊社の水晶式水位計が採用され、納入されました。
水晶式水位計は、圧力検知に水晶振動子を利用することにより高精度な水位測定が可能です。これによって、精度の高い河川水位観測が可能となると共に、今までよりさらに適切なタイミングで洪水予警報を発信できるようになり、栄山江流域の地域住民の安全・安心な生活が実現することでしょう。