「20世紀の戦争が石油をめぐって戦われたとすれば、21世紀は水をめぐる争いの世紀になるだろう」(世界銀行元副総裁 イスマイル・セラゲルディン氏)
いま世界では危機に瀕している水をめぐる対立が激しくなりつつあります。一滴でも多くの水を手に入れるために人々が争う世界…まるで映画『マッド・マックス』で描かれたディストピアの世界が、現実のものとなる可能性すら否定できないのです。今こそ私たちは行動を起こさなくてはなりません。残された時間は決して多くないのです。
拓和は「人と水とが共生する世界を創る」という企業理念のもと、独自の技術とノウハウにより、この危機を打開し、新しい社会モデルの実現に全力で取り組んでいきます。
創業以来60年以上水と向き合い、国内では水位計シェアトップ企業として最前線から一歩たりとも退かずに研鑽を積んできたという自負があります。
水を熟知し、水をリスペクトする拓和が、人類が繁栄の過程で忘れてしまった「利他的な水との関係を再構築する」という社会課題は、拓和の使命として解決する課題だと考えております。
拓和の「水を知る」技術への真摯な取り組みは、私たちの生まれ故郷である地球を、私たち自身の手で傷つけてしまったことに対する罪滅ぼしであると同時に、すべての生命の源である水の循環システムを、再びあるべき姿へ回帰させる一助になると確信しています。
いつからか人類が陥ってしまった「搾取による利己的な支配」は、水以外の資源にも広く及んでおり、特にエネルギー資源に対する執拗な利己的支配欲は、利権獲得競争を激化させ、世界全体を巻き込む危険な地政学的不安定と極端な貧富の格差、そして深刻な環境破壊を引き起こしています。
私たち人類は、水の危機と並行して存在するこの社会課題に対しても、直ちに解決に向けた行動を起こさなければ、人類の存続が危ういという現実を認識する必要があります。
拓和は、眼前に立ちはだかるこの難題が自らを進化させるステップと捉え、ここでもやはり「利他の心」を基軸とした「利他の精神によるエネルギー共生社会」の実現に挑戦します。
なぜなら水位計に取って代わる技術が、そう遠くない日に現れるからです。今日明日の話ではないとしても、その日は必ず訪れます。おそらく10年、いや5年先にもその日は来るでしょう。
当社はその日に備えリスクアセスメントをしっかり行い、チャレンジする準備をしてきました。
すでに当社は、現行の再生可能エネルギーシステムを超える革新的な「価値を生み出す」センサーの開発に着手しました。
当社にとって新たな挑戦となる歴史的な一歩を踏み出した拓和は、これから利他の心を中心に据えた経営に舵を切りました。利他の心を中心に据え、水、そして地球環境を見つめ、関わってゆくことで、環境のみならず貧困や教育という社会課題の解決にも取り組み、持続可能な世界を創り出す企業になることを目指します。