当社は気候変動が事業に与える影響(リスク)への適応策として既に地震を想定したBCP(事業継続計画)を策定しています。今後はBCPの内容を見直し、対象とする事象を水害に拡げ、BCM(事業継続マネジメント)に進めていきます。近年では国連の事務総長が「地球温暖化」ではなく「地球沸騰化」と評した猛暑に対し、ISO45001の認証取得に準拠し、現在全社的に実施している安全衛生活動の中で、熱中症対策を始めとする従業員の健康管理体制を強化していきます。
また、水位計を核とした無線ネットワークを構築し、このネットワークを基盤として、様々なセンサー機器をつなげることで、気候変動適応ビジネス(例:故障診断システム)を展開していきます。
脱炭素社会の実現に寄与する事業として、再生可能エネルギーを活用(環境発電)するセンサーの開発を進めています。一方で、既存のセンサー設置においては、電源供給をできるだけ太陽光で賄うため、太陽電池パネル設置を推進し、電力消費量の低減に努め、温室効果ガスの排出量低減に取り組んでいます。
当社が1年間に出荷した製品は、当社の年間生産活動で排出したCO2量以上のCO2を削減するものであり、今後も排出量削減への取り組みを継続します。
並行して自社製品の生産工程および設置後の環境影響(温室効果ガスが生じる要素が無いか)を調査し、情報を開示します。
私たちは、これからも企業活動そのものを通じて省エネルギーや地球環境改善に貢献する製品を創出する所存であり、将来構想として、特に環境貢献に優れた製品を『拓和グリーンプロダクツ(仮)』として認証する『グリーンプロダクツ(仮)制度』を導入することも視野に入れています。
当社の製品のほぼすべてが、環境に配慮・貢献する設計思想(※)に基づく製品であり、省エネルギー、省スペースに貢献するものです。これらを継続して開発・販売していくことで、地球温暖化や資源保全、廃棄物削減等の環境課題の改善に大きく貢献できるものと考えています。
※省資源(製品の小型・減量化)、省エネ設計(低消費電力)、長期使用性(長寿命設計、筐体・部品の共通化)、再資源化(リサイクル可能材料の適用促進)、環境汚染物質削減(RoHS対応)(当社の『環境配慮型製品設計基準表』による))また、当社の製品を設置することで、水害など自然災害の被害規模を縮小できるため、復興にかかる森林など天然資源の消費・枯渇を抑制します。
将来構想として、生産拠点で評価試験などに使用した水を再利用するシステムの構築や、本社・支店・営業所でも拓和独自に水の使い方を工夫し、地域の水循環を健全にしてゆくことも視野に入れています。
拓和は2017年に制定した「環境方針」の中で、生産拠点におけるものづくりの工程(開発・設計・製造・検査・出荷)において、汚染の予防を徹底し、汚染防止策の見直しと改善を継続することを定めると同時に、出荷後の現場への製品の設置および設置後の保守・撤去に至るまで製品に携わり、一貫して水に悪い影響を与えることが無いよう、環境に配慮して行動することを謳っています。
当社は国際的な環境マネジメント規格ISO14001の認証を取得し、これに準拠した環境マネジメントシステムを構築し、環境汚染防止体制を敷いています。現在当社の生産拠点では汚水・煤塵・騒音を発生させる製品を製作してはおらず、ステークホルダーである協力会社にも定期的な工場審査により当社と同様の体制を敷くことを徹底していますが、将来当社が作る製品によって新たに外注委託する会社にも今と同様の体制を求め、自社の体制の維持に努めます。
まちづくり企業である拓和のセンサーは、まちを自然災害から守ることが目的であるため、当社のセンサーを社会に実装し、その設置台数が増えれば、自然災害による被災地域の範囲は小さくとどめることができ、現場復旧作業に要する森林資源や鉱物資源の量を低減することに繋がります。
私たちは、地球規模で起きている資源枯渇の進行を抑制することで、生物多様性の保全・再生に貢献すると考えており、具体的には、災害を軽減し、森林・里山保全に貢献することは、すべての生命の存在基盤(酸素・食料・居住地)の存続と生態系を維持することであるとの認識のもと、ISO14001に基づく環境マネジメントシステム(EMS)を導入し、事業活動が環境・社会に与え得る影響を最小限にすることに取り組んでいます。
今後は当社がセンサーを設置したことで河川や森林・土壌環境に影響が無いか調査し、データを開示することを視野に入れています。
当社は2001年に認証を取得したISO9001(品質)を筆頭に、段階的にISO14001(環境)、ISO45001(労働安全衛生)、ISO27001(情報セキュリティ)の認証を取得することにより、製品の品質と、顧客をはじめとするステークホルダーの安全を追求する強固なマネジメント体制を導入しています。
これらのマネジメントシステムのもとで、法令遵守、安全に関する施策の推進、製品事故などの緊急時の対応体制整備、製品安全情報の顧客への周知、製品安全に関する従業員への教育など、社内外のあらゆる側面から製品・サービスの品質向上および安全が時代の要請に遅れることなく更新され、維持されています。
拓和は水を守ることを起点とし、持続可能な世界を実現するため、毎日のように出現する新技術にも臆することなく、技術革新による産業構造の変化によって出現するデジタル社会にも対応できるよう、リスクアセスメントを適切に行い、既存の主力製品や市場領域を超えて、新たなセンサーの創造に挑戦します。
現代のように、先行き不透明かつ混迷が続く社会で企業が生き残り、生き延びるための唯一の方法は、常にリスクを取って挑戦することだと考えています。
そこで当社はまず、リスクアセスメントの重要性と考え方を社内に周知するべく、2021年にISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)を導入しました。次にデジタル社会に対応するため、2022年にISO27001の認証を取得し、情報セキュリティマネジメントシステムを構築、2024年に、トップの特命事項を執行するDX専門部署を設置し、新たな体制のもと、これまでの拓和の歴史に無かった分野にて、新たな価値を生み出すセンサーの開発に着手しています。
「動的平衡とは、“生命が変わらないために変わり続けている”ことでもある」(福岡伸一氏著『動的平衡』より)
これは会社の組織にもそっくり当てはまることです。一見すると会社としての全体の様子は変わらないように見えますが、その組織は外界の変化に合わせ、常に新たな人財や価値観を人間の細胞の代謝活動のように、入れ替えていかなければ存続(生命を維持)できないのです。
160人規模の製造業である当社も、世に言われるように「企業は人なり」であり、従業員ひとりひとりの持つスキルや知識、ノウハウ等に中長期的な企業の成長が左右され、それらが企業の存続に必要不可欠な要素であることは自明であり、大切な「資産」であることに異論はありません。
そこで当社では、まず人財を雇用する前提として性別、年齢、国籍等にとらわれず多様性を尊重し、個々の能力を最大限に発揮できる体制を目指します。同時に個々人が安心して能力を発揮できるよう、都度社内外の変化に対応し、柔軟に職場環境の整備を進めます。
並行して、一人一人のポテンシャルを引き出し、自分の頭で考える思考力、論理的に考える論理構築力や、マネジメント能力を専門的なトレーニングによって最大限に伸ばし、従業員の市場価値を向上させることを目的として、コーチングに注力します。
当社が最終的に目指すゴールは、一騎当千の従業員を少数精鋭ではなく、多数精鋭となる体制にすることです。
人財を雇用する前提として性別、年齢、国籍等にとらわれず多様性を尊重して採用し、配置については公平性を考慮したうえで平等に配置します。そして、あらゆる形の差別を禁止する機会均等方針を定め、実行します。
当社で今後構築する人権および労働方針
将来当社が取り組み、解決しようと考えている社会課題とは教育です。
世界には様々な事情があって教育を受けることのできない子どもたちがいます。未来を創る担い手である世界中の子どもたちが真のインクルーシブ教育によって、公平に教育を受けられる世界を創りたいという願いがあります。
水が豊かに行き渡る持続可能な世界を創り出していく過程で、子どもたちの教育環境を整え、子どもたちの未来を創りたい。最終的には地球規模での、フルインクルーシブ教育の普及に貢献したいと考えています。