いま、水位を測定する技術に変革が起きています。人類は地球に存在する水の量を、人工衛星によって把握できるリモートセンシング技術を開発しました。このことは地球上の海洋、河川や湖、ため池や氷床の状況をリアルタイムで把握できる時代に突入したことを示しています。宇宙から地球上のデータを収集して分析するテクノロジーによって、私たち人類は地球上を流れる水の動態と、大気中を循環する水の様子を以前よりも明確に把握できるようになりました。
拓和はこれを事業環境の変化と捉え、いずれ今の水位計は無用の長物になる日が来ると受け止めています。それが今日明日の話ではないにしても、10年以内にはそういう日が到来すると認識しています。
ではその時拓和はどうするのか。その前に拓和の歩んできた道を簡単に振り返ってみましょう。
拓和の歴史は1968(昭和43)年に販売を開始したデジタル水位測定柱から始まりました。デジタル水位測定柱と水晶式水位計という拓和を代表する水位計から始まり、砂防、道路路面管理と、自ら市場を創り、どの事業でも実績と信用を得て成長してきました。言うなれば拓和はいつも、自ら未来を切り開いてきました。何も経験の無い世界に自ら飛び込んで、市場を創り、そこで実績と信用を培ってきた会社なのです。このスタンスはこれからも変わりません。
話を戻します。
事業環境の変化を察知した当社は、もうすでに2つのアクションを起こしています。1つは現行の水位計に付加価値を実装すること、もう1つは持続可能な世界でのニーズに応える製品の開発です。これら2つのテーマに迅速に着手し、進めています。特に後者は拓和のこれまでの事業領域とは異なる製品であり、新たなチャレンジになります。拓和は『世界に無いものを創り、世界で製品を売り、世界で勝負する』会社です。拓和はこれからも時代の変化に合わせ、自らをアップデートし、新たな市場を創り出し、世の中を変え、自らを変化させ、存続していきます。